CULTURES’ BackPacker vol.8「音楽稼業七変化〜プロローグ・稼業分類紹介〜」

 三味線を持っている日、持っていない日。着物を着る日、キツネをかぶって好きな服を着る日。表に出る日、裏でせっせと準備をする日、誰かの手助けをする日。伝統を紡ぐ日、未来を創る日、誰かを彩る日。あたしの生業である音楽稼業は日々、人よりも様々な形に変化(へんげ)しています。それ故にこの頃は、CHiLi GiRLを演りながら毎日いろんなことをしているけど詳しくは何をしているの?と聞かれることが多いので、改めて自分でも振り返ってみようと思います。

 前置きとして、あたしが責任を持ってやる仕事のルールである

・出来るもの/見極められるものならなんでもやりたい

・アーティストブランドを守るために名義を分ける必要性がある

を貫いています。今回はやっている音楽稼業の区分だけの紹介ですが、一つ一つこだわりや信念を持って取り組んでいることは間違い無いので、詳しくは折を見てシリーズで紹介していこうと考えています。

 

◆伝統芸能家/津軽三味線演奏家の川嶋志乃舞として

・津軽三味線の演奏(主に民謡演奏および伴奏、川嶋志乃舞作品の演奏)

・アーティスト活動(~2020年にCHiLi GiRLへポップス制作の主軸を移行。)

・佐々木光儀流師範佐々木光櫻として光櫻会への育成指導(2015年〜。全国コンクール入賞者多数輩出)

・レコーディング参加

・制作ディレクションや和楽器監修(和楽器をよくわからないけど楽曲に入れてみたい製作陣に対して、楽曲の方向性を考慮しながらその楽器の出来ることや魅力的に映えるようにアシスト/ディレクションを行うなど。それに伴うメンバー選定。)

詳しくは川嶋志乃舞HP▶︎https://shinobu-shamisen.bitfan.id

 

◆CHiLi GiRLとして

・アーティスト活動(音源制作、ライブ活動など)

・feat.参加

・制作ディレクション(三味線に関係なくポップスシーンを軸とするものに限定)

・コラム執筆(当コラム)

 

feat.作品参考▶︎Beautiful in Tokyo – Toshiki Soejima & Shinobu Kawashima (Guitar × Shamisen)(kimama session)

https://youtu.be/rH58m2BJIpQ?si=oxVt1JXjlhBN4QZc

 

ディレクション作品参考▶︎Boobie Goon 1st single「Many Men, Many Minds」

https://boobie-goon.lnk.to/Many-Men-Many-Minds

アーティストディレクション、編曲、一部作曲などに携わっています。

◆総じて”川嶋志乃舞”として

・大学での特別講義やワークショップ(東京藝術大学、静岡文芸大学、名城大学ほか)

・楽曲提供

・楽器開発サポート(Ainoco撥)

・水戸市みとの魅力宣伝部長(2015年〜)

・笠間市笠間特別観光大使(2016年〜)

 …と、自分で見ても色々手広くやってるなあと思います。笑 が、CHiLi GiRLを始める前はこれを全部川嶋志乃舞名義で行っていたため、よりごちゃごちゃしていたのです。同じ名義でアーティスト活動も、三味線教室の会主も、楽曲提供やディレクションもやっていると、しかもそれらが多岐に渡ると、たとえ一つ一つは質の良いとしてもボヤけて見えてしまうことは気づいていました。その頃、自分はアーティストのはずなのに”色々頑張っている優秀な女の子”だったし、それを地元が大きく応援してくれていたので、音楽家というよりスポーツ選手のようだなと自分を俯瞰していました。プロフェッショナルは自分の存在の輪郭がぼやけずくっきりしていないとならないようです。

 

 それに、地元や伝統芸能界、ましては日本を背負ってるような気さえしてきて、自分らしい音楽が書けなくなってきてしまったのです。期待に応え続けて結果を出していく、そう、いよいよスポーツ選手から抜け出せなくなってしまったのです。結果を残して次の期待を背負うのは、職業作家ならそれでも良かったかもしれないし、自分の表現したいものが”誰かに求められるものを作ること”であればそれでも良かったかもしれません。でもあたしには、好きな音楽だけじゃなく、自分に似合うものを知り、その先にあるまだ身に纏ったことのないそれを着こなしてみせると意気込むほどのこだわりがたくさんあったので、お利口にしてられなかったのです。

 

 時期の相性が幸か不幸か、2020年にCHiLi GiRLを発足して再スタートを切ったことはあたしにとって大正解でした。不謹慎と承知で、幸でした。正直、人生のほとんどの時間を津軽三味線に捧げてきたあたしにとって、期待に応え続けてきた自分に”もう好きにしていいんだよ”と赦してあげるような、ある種リハビリのような、心のリフレッシュ期間は必ず必要だったからです。

 

 名義を分けたことでより好きで得意な活動に恵まれたと感じています。萬屋はこの世に必要だけど、自分は萬屋でありながらブランドを全く変えることでバランスを取りやすくなりました。その分HPやSNSの更新も全く内容が分かれるので、まさに二足の草鞋ではありますが、マルチタスクが心地よい自分の性格にとっては、このくらい毎日、毎時間、変化していくのが楽しいし、スッキリ取り組めます。「そんなにやって大変じゃないの?」と労っていただくことも多いのですが、逆に一つの仕事を長時間やるのは他のことが気になって気が散ってしまう性分なので、むしろこのくらいぐるぐるしてたいのです。

 

 幸いにも、走り回ってあれこれ仕事はしていません。笑顔を忘れない程度にはセーブしています。

 

 今回はまず、自己紹介として経緯を踏まえてまとめてみましたが、三味線奏者なのにどうやって他の音楽での信頼を得られるようになったかや、三味線要らずで仕事をするようになったきっかけ、詳しい稼業内容をご紹介していくつもりです。皆さんからの質問もお待ちしています。

 

 ご質問は下記メールまたはファンクラブ会員が使えるグループチャットなどから受け付けます!

▶︎chiligirl.house@gmail.com

▶︎https://clg-tokyo.bitfan.id/contents/73744

 

 ところで、ダイエットでよく「20:00以降は食べないこと。夜22:00までには就寝しないとお肌は生まれ変わらない。」などの世の中の定番的規則に準ずるダイエット法ばかりが取り上げられて、自分は付き合いが多く食事に出かけるし、就寝時間もまちまちな自分は一体どうやったら痩せられるんだと悩み続けていたことがあります。

 おそらくこれは誰しもが自分にあったダイエットメニューを日々探しているものだと思いますが、自分の生活リズムや体のこと、しいては得意なこと、性格のこと、自分に合った環境を理解して選択するのには人一倍かかったからこそ、輝けるものを手に入れていけるのだと信じています。仕事も同じかもしれません。

 

 知識は血となり肉となり、人を結び愛となる。

 

 次回以降の記事のヒントとして、三味線要らずで音楽を生業にできている最大の武器が「好奇心」であることは、先にお伝えしたいと思います。

 

★昨日10/9で29歳になりました!今後ともよろしくご愛顧下さいませ。

 

2023.10.10

執筆:Shinobu Kawashima

 

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LIVE INFOMATION

・CHiLi GiRL pre. LOVE SPiCEシリーズ番外編

2024年1月13日(土)「川嶋志乃舞新春民謡コンサート」

10/9~10/10 先行予約受付  10/12~一般予約受付開始

https://clg-tokyo.bitfan.id/schedules/29846