GORILLA HALL OSAKA KOKERAOTOSHI series
” GREENS presents CRETODY 2023 !! “ライブレポート
2023年1月12日にオープンした遊べるライブハウス「GORILLA HALL OSAKA」。HEY-SMITH猪狩秀平氏によって命名されたライブハウスの名前はユーモアとエネルギーに溢れている。コンセプトは「最高の遊び場」の提供。欧米のライブハウスに着想を得て作られたおしゃれな内装。2Fのバーエリアでは、チルアウトな空間が作り出されており、リラックスして音楽を楽しむこともできる。そんな「GORILLA HALL OSAKA」のオープンを記念して” GREENS presents CRETODY 2023 !!”が2月12日に開催された。会場にいるお客さんのほとんどが、初めて訪れるライブハウスだろう。スタート前から初めてのライブハウスでライブを見られるワクワクしたお客さんの期待に場内は包み込まれていた。
photo by ピー山/Takafumi Yamashita
MONO NO AWARE
イベントのスタートを務めるのは、2013年に結成された4人組ギターポップバンドMONO NO AWARE。神秘的な世界に入り込むようなSEと共にメンバーが登場。スタートを飾る楽曲は、「井戸育ち」。ドラムのリズムから始まり、ギターのサウンド、ベースラインから成るポップな音楽が会場の空気を作り上げていく。
VoGt.玉置が『MONO NO AWAREです、どうぞよろしくお願いします！』と挨拶をすると、「かむかもしかもにどもかも！」のドラムのリズムに合わせて会場からは手拍子が鳴り始める。早口言葉を入れ込んだ歌詞とグルービーな雰囲気のベースラインで体は思わず踊り出す。続いて、「ゾッコン」を歌い上げる。「幽霊船」ではギターの音色が響き渡り、ロックサウンドで楽曲はスタート。間奏ではドラムのリズムと照明の変化で鼓動が高鳴ってゆく。
『こんにちは！！』とVoGt.玉置が会場のお客さんに挨拶をすると、『今日は緊張の面持ち、ストレイテナーとcinema staffという大先輩がいらっしゃるので緊張しながら挨拶してきました』と今日のイベントで大先輩たちと共演する嬉しさと緊張を語った。『ライブハウスが新品なので男子トイレにも音姫がついてます。音がいいので相当すごいスピーカーが入っているんだろうな。』と会場に笑いを誘う。
そんなMCを終えて、ノスタルジックなサウンドで「LOVE LOVE」を歌い上げる。続いて、「異邦人」では疾走感のあるイントロで明るくポップなサウンド。色鮮やかな照明が会場内を煌びやかな空間に変えてゆく。Ba.竹田とGt.加藤のコーラスがより明るく彩ってくれた。『最後の曲となりますので、先輩2組と後輩1組のライブを楽しんでください！』
『せーの！！』の掛け声から「東京」がスタート。明るくかっこよさの中にある優しさ。3人の違った歌声が合わさって曲は神秘的な雰囲気も醸し出す。独自性あふれるライブでCody・Lee(李)にバトンを渡した。
セットリスト
1.井戸育ち
2.かむかもしかもにどもかも！
3.ゾッコン
4.幽霊船
5.LOVE LOVE
6.異邦人
7.言葉がなかったら
8.東京
photo by ピー山/Takafumi Yamashita
Cody・Lee(李)
2018年に結成。昨年2022年5月にメジャーデビューを果たした5人組ロックバンドCody・Lee(李)。スタートから疾走感のあるナンバー「悶々」で会場のボルテージをあげていく。サビに向かうにつれて会場は徐々に踊り出していき、ラスサビ前にはVoGt.高橋が『大阪！！』と叫び盛り上げる。そのままギターをかき鳴らし、怒涛のロックサウンドで「W.A.N」を続けて演奏。かっこいいバンドサウンドと共に中毒性のある楽曲だ。曲の終わりと共に暗転をして、『今日はGORILLA HALLのこけら落としに呼んでいただきありがとうございます！』とVoGt.高橋のMC。Gt.力毅がライブハウスの名前にかけてゴリラが全面デザインされた衣装でステージに立っていることを皆に伝えて、「風呂の歌をやります！」とはじまったのは、「DANCE風呂a!」。会場は自然と手拍子で一つになってゆく。ラップが主軸となり展開されていく楽曲だが、まるでお風呂にいるかのようなチルアウトなサウンドでリラックスした空間に。
続いて、「異星人と熱帯夜」では、どこか懐かしさを感じさせるレトロな雰囲気で会場を包み込む。『今日は、そうそうたるメンバーの中に混ぜていただきました！多分最年少なので頑張ります！』VoGt.高橋が高校でカバーしていたこともある曲が「Melodic Storm」、そんな思い入れと敬意あるバンドとのイベント。本日のリハから感慨深い気持ちになったと想いを告げた。
春を感じられるようなイベント当日。春の曲として歌い始めたのは「世田谷代田」。
『ありがとうございました！Cody・Lee(李)でした！最後まで楽しんでいってください！』と始まったのは、「愛してますっ!」。タンバリンの明るいリズムとエレクトリックなサウンドで彩られる。タンバリンのリズムと一緒に手拍子で会場はより一体になってゆく。続いて「我愛你」では勢いのあるギターとドラムが作り出すリズム、色鮮やかな照明が会場を照らし出す。中毒性のあるメロディで会場のボルテージは上がっていき、メンバーそれぞれが思うままに自由な場所で演奏して曲を締める。最後は「When I was cityboy」。おれらはロックバンドだと言わんとばかりにギターをかき鳴らし、青春を思い出させるようなロックンロールで締め括ってくれた。
セットリスト
1.悶々
2.W.A.N.
3.DANCE風呂a!
4.異星人と熱帯夜
5.世田谷代田
6.愛してますっ!
7.我愛你
8.When I was cityboy
photo by ピー山/Takafumi Yamashita
ストレイテナー
後輩達からバトンを受け取り登場したのは、ストレイテナー。赤く染まったステージ、手拍子が鳴り止まない会場にメンバーが登場。「Melodic Storm」のイントロが鳴り始めると会場からは期待と興奮が込みあげてくる様子が伝わってきた。Cody・Lee(李)のVoGt.高橋がカバーをしたという楽曲でライブはスタート。2階の関係者席には、大先輩のライブを観ようと集まった演者達が楽しんでる光景が広がっていた。続いて「原色」は、うねるようなベースライン。鳴り響くギターの音色。鼓動を高鳴らせるドラムのリズム。会場内に響き渡る歌声と絶妙にミックスされていく。
Vo.ホリエが『俺たちストレイテナーっていいます！よろしくお願いします！そして、大阪あけましておめでとうございます！』先ほどまでギターを持っていたVo.ホリエがピアノの前に座り「SIX DAY WONDER」を披露。きれいな音色とバンドサウンドが心にスーッと染み入る。そんな雰囲気から一変、ドラムの勢いのあるリズムで「Parody」が始まる。重低音のギターのサウンドと色鮮やかなピアノの音色。変化するメロディを聞いていると、思わず体は揺れる。ホリエがギターに持ち替え、「群青劇」をエモーショナルに歌い上げる。
『コロナで全国各地行けていなかったですが、今年は周年ツアーをやります！先程の曲はここまでライブをしてくれたMONO NO AWAREとCody・Lee(李)に捧げました。これからのエモい曲はcinema staffに捧げます。』と始まったのは「The Place Has No Name」。ロックサウンドが会場に響き渡り、拳を振り上げる観客たち。暗転して「REMINDER」のイントロが流れ始めると会場から自然と歓声が上がり始める。長く歌い続けられた名曲。ホリエの歌声が心に染み渡っていく。『ありがとう！最後の曲です！』と「シーグラス」を披露。ライブを楽しむ観客席はコロナ前のライブハウスを思い出させるような素晴らしい空間が広がっていた。最後は4人が並び挨拶をしてステージを後にした。
セットリスト
1.Melodic Storm
2.原色
3.SIX DAY WONDER
4.Parody
5.群青劇
6.The Place Has No Name
7.REMINDER
8.シーグラス
photo by ピー山/Takafumi Yamashita
cinema staff
イベントのトリを務めるのは、cinema staff。シックな雰囲気を醸し出す照明と共にギターの音色が響き渡り「シャドウ」がスタートする。ドラムのリズム、ギターの音色、ベースライン。一つ一つが重なり合い観客の心に響いていく。エモーショナルな間奏のギター。そこからのラストの盛り上がりがかっこいい。『どうもcinema staffです！』挨拶と共に「great escape」がスタート。会場のボルテージを上げていくドラムのリズム。ベース、ギターはステージの最前でかき鳴らされ、怒涛のつなぎで演奏が進行する。続いてギターをかき鳴らして始まったのは、「海底」。
『GORILLA HALLこけら落としおめでとうございます！GREENSにもお世話になっています。呼んでくれてありがとうございます！ストレイテナーからエモい曲を捧げてもらったので僕ららしくやっていきます！新曲を聴いてください！』と昨年12月にリリースした「陸の孤島」を披露。インパクトのあるイントロのギターから心を揺さぶる。鮮やかで明るいドラムのリズム。続いて、「salvage me」では、明るく爽やかな雰囲気でまた違った色を見せてくれる。
『本当に3バンドとも素晴らしかったです！このメンツでやれてよかったです！最高の状況で締めくくります』高鳴るバンドサウンドで会場のボルテージをあげて「奇跡」を披露する。疾走感のあるメロディは、さわやかな風が吹いているように曲が茜色に彩られていく。手拍子で会場は一体となり、ラストスパートをかける。
『いけるか！』とVo.飯田があおりをいれ、続けて「西南西の虹」を披露。パワフルなドラムのリズムは、彼らのライブを見ている時の鼓動の如く会場を盛り上げる。
『どうもありがとうございました！cinema staffでした！』と最後に「3.28」を歌い上げステージを後にすると会場からは自然とアンコールを求める手拍子が鳴り響く。ステージのライトアップと共に喜びの拍手が。『GORILLA HALLめちゃくちゃいいですね！今後もここでやりたいです！GREENSのスタッフに最後に何をやってほしいか聞いたところこの曲でした。』と「白い砂漠のマーチ」を最後に演奏する。MONO NO AWARE、Cody・Lee(李)、ストレイテナーからバトンを受け取り、自分達らしい最高のライブでイベントを締め括ってくれた。
1月12日にオープンした「GORILLA HALL OSAKA」、4組のアーティストも新たなライブハウスのスタートを祝うかのように最高のライブでつないでくれた。これから「GORILLA HALL OSAKA」はアーティスト、観客の両方にとっての最高の遊び場になっていくことだろう。
セットリスト
1.シャドウ
2.great secape
3.海底
4.陸の孤島
5.salvage me
6.奇跡
7.西南西の虹
8.3.28
EN.白い砂漠のマーチ
執筆：音楽ライターRYO