©︎David Mushegain
Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)が、東京ドームに還ってきた――2007年に初の東京・ 大阪2大ドーム公演を行って以来、実に16年ぶりの単独公演が実 現した。今回注目すべきは2019年に二度目の再加入を果たした ギタリスト、ジョン・フルシアンテの復活と、 それを受けて6年ぶりのアルバムを昨年中になんと2作もリリース した後の新作ツアーでもあるということだ。 昨年6月にヨーロッパから始まったツアーは「グローバル・ スタジアム・ツアー」と名付けられ、 その一環となる東京公演はまさにその名にふさわしい壮大で圧倒的 なステージだった。 そして鉄板ラインナップのバンドを迎え撃つオーディエンスの熱量 も半端じゃなかった。先に16年ぶりの単独公演と書いたが、 レッチリはその間夏フェスで3度来日し、 洋楽アーティスト屈指の人気を定着させている。 もはや伝説となった第一回目のフジロックでのステージや、 東日本大震災が起きた2011年にサマーソニックのヘッドライナ ーとして来日してくれたことなど、 日本のファンにとって思い入れの強いバンドだ。 開演前の会場内外に漂う高揚感からは、 バンドに対する絶大な信頼感も伝わるようだった。 イントロのジャムからドラムのチャド、ベースのフリー、そしてジョンの3人はいきなりフルスロットルで、 オーディエンスを温めるどころか早くもノックアウトする勢いで超 絶技巧のプレイを見せ付けた。実質的なオープニング曲「Can’ t Stop」のイントロが始まると、 ボーカルのアンソニーの登場と相俟って会場は一気に熱狂の渦に巻 き込まれ、同じくアルバム『By The Way』収録の「The Zephyr Song」の心地良いメロディに身体を揺らし、 レッチリのライブが始まった喜びをかみしめた。 続いて披露されたのは新作『Unlimited Love』からの「Here Ever After」で、 リズミカルなドラムにベースとギターが寄り添うように絡み合い、 その波をボーカルがなめらかに乗りこなしていくという、 ジョンが復活した今の4人ならではのケミストリーが感じられる新 曲だ。日本の前に周ってきたオーストラリアなどでは、 セットリストにヒット曲が少ないと不満の声が上がったりもしてい たが、今回の東京公演ではアンコールを含めた全17曲中、 新作2作からの曲は6曲だった。ジョンのギター・ソロに痺れる「 Eddie」やタイトなドラムが際立つ「These Are the Ways」、「ヤーヤヤヤー」 の掛け声が耳に残るグルーヴィーな「Tippa My Tongue」、『Unlimited Love』 のファーストシングルで新生レッチリの到来を告げたメロディアス な「Black Summer」など、 新しい曲はどれもこの4人で再び集まって曲作りができる喜びにあ ふれていて、 それをライブで聴くオーディエンスにはそんな今のレッチリを体感 できる喜びを与えてくれた。 ステージにはバックドロップ全体と両サイドに大きなスクリーンがあり、 グルーヴをそのままビジュアルにしたようなサイケデリックな映像 ( メンバーの姿とリアルタイムで合成されていたのもかっこよかった )で視覚的にも楽しめた。「Snow ((Hey Oh))」では左にアンソニー、 右にジョンの顔が大きく映し出され、2人でコーラスをハモる姿に じーんときた。 演奏中のメンバーの手元がアップになるのも見どころで、 ベースの弦の上で叩き付けるように力強く、 それでいてステップを踏むように軽やかに動き回るフリーの指には 何度見ても驚かされた。 還暦の概念を変えるチャドのパワフルなドラミングはどれだけ体力 があるのかと恐ろしくなるほどで、 常に楽しそうにしているのがまたすごい。 真っ赤なスカジャンを着て登場したアンソニーは、 その後黄色いメッシュのシャツ姿になり( 裾をめくり上げて頭にかぶり、のしのしと歩き回るところが最高) 、 気が付けばそれも脱いで股間に稲妻が走るハーフパンツ一丁になっ ていた。それぞれ熟練の技を見せる彼らだが、 いくつになっても大人と子供のいいとこ取りのような、 仲間と一緒に音楽をやるのが楽しくてたまらないという変わらなさ があるのがいい。 曲のアウトロでフリーとジョンが向き合って長いジャムを続けたり 、 アンソニーも加わって全員がドラムキットの前に集まったりする場 面は、ここがドームであることを一瞬忘れさせ、 まるでスタジオでの様子を覗き見ているかのような親密感があって 心温まる光景だった。 この日一番饒舌だったフリーは、スパッとしたエンディングがかっこいい「Suck My Kiss」の後で、 今朝食べた和朝食に小鉢がいっぱい並んでいて何を食べているのか まったくわからなかったけどおいしくて、 ミステリアスでビューティフルなのが日本のいいところだと言って 笑っていた。そして科学者と相談した結果、 史上最もスローな曲のやり方がわかったと言って始めたのが、 超絶速弾きベースの「Nobody Weird Like Me」! 89年の名盤『Mother’s Milk』からのレア曲に会場が沸いた。 そんな沸騰状態はフリーとジョンがひとしきり絡んで始まった「B y the Way」で最高潮に達し、 ジョンのボーカルで完璧な形になったこの曲で本編の幕が閉じた。 アンコールでステージに戻ってきた彼らが鳴らし始めた「Under the Bridge」に、オーディエンスはスマホのライトで応えた。 絶望的な孤独を歌ったこの曲が、 満天の星のようにキラキラと輝く数万の光に照らされて、 みんなの歌へと昇華していく様は泣けてくるほど感動的だった。 そしてラストの「Give It Away」の大爆発で涙は吹き飛ばされ、 あまりの盛り上がりに笑うしかなかった。 途中アンソニーがフリーに質問があると言って(「 恥ずかしいやつ?」との返しが笑えた)、 どうやったらマスクをしていても笑顔かどうかわかる?と訊くと、 「目を見たらわかるよ」とフリーが答える場面があったけれど、 エンディングでアンソニーは「見える、 君達の笑ってる顔が見えるよ」と満足そうに言っていた。 そしてオーディエンスに向かって「 今夜のショウに来てくれてありがとう。君達を愛してる。 また会う日まで、みんな仲良くな。グッバイ!」 と言ってステージを去った。 その言葉は未来への確かな約束のように響いた。 生のサウンドを浴びて踊って(マスクの下で) 歌ってジャンプして、あっという間に過ぎ去った1時間40分あま りは、ただただ最高に楽しかった。 ■「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ ワールドツアー 2023 ライブ・イン・ジャパン」東京ドーム公演(2023年2月19日)セットリストIntro Jam1. Can’t Stop2. The Zephyr Song3. Here Ever After4. Snow(Hey Oh)5. Eddie6. Suck My Kiss7. Reach out8. Soul to Squeeze9. Nobody Weird Like Me10. These Are the Ways11. Tippa My Tongue12. Californication13. Carry Me Home14. Black Summer15. By the WayアンコールUnder the BridgeGive It Away■来日公演の詳細2023年2月19日(日)東京ドーム2023年2月21日(火)大阪城ホール■RHCP来日記念キャンペーン実施店舗ワーナーミュージック・ストア限定では、最新アルバム2作『Unlimited Love / アンリミテッド・ラヴ』と『Return of the Dream Canteen / リターン・オブ・ザ・ドリーム・カンティーン』のCD&Tシ ャツセットや限定バイナル等が販売されているので併せてチェック ! ■ミュージック・ビデオBlack Summer:https://www.youtube.com/watch?v=OS8taasZl8k Poster Child:https://www.youtube.com/watch?v=lxHWfCzS5uQ These Are The Ways:https://www.youtube.com/watch?v=PccS-4wSZCY Tippa My Tongue:https://youtu.be/E1FNkf3MLKY The Drummer:https://youtu.be/aP-oFkZknS4 【リリース情報】■アルバム情報アーティスト:Red Hot Chili Peppers / レッド・ホット・チリ・ペッパーズアルバム:Unlimited Love / アンリミテッド・ラヴリリース:2022年4月1日(金)全世界同時リリース国内盤CD情報:WPCR-1850301 / ¥2,860(税込)<トラックリスト>1. Black Summer / ブラック・サマー2. Here Ever After /ヒア・エヴァー・アフター3. Aquatic Mouth Dance / アクアティック・マウス・ダンス4. Not The One / ノット・ジ・ワン5. Poster Child / ポスター・チャイルド6. The Great Apes / ザ・グレイト・エイプス7. It’s Only Natural / イッツ・オンリー・ナチュラル8. She’s A Lover / シーズ・ア・ラヴァー9. These Are The Ways / ジーズ・アー・ザ・ウェイズ10. Whatchu Thinkin’ / ワッチュ・シンキング11. Bastards of Light / バスタード・オブ・ライト12. White Braids & Pillow Chair/ ホワイト・ブレイズ・アンド・ピロー・チェアー13. One Way Traffic / ワン・ウェイ・トラフィック14. Veronica / ヴェロニカ15. Let ‘Em Cry / レット・エム・クライ16. The Heavy Wing / ザ・ヘヴィ・ウィング17. Tangelo / タンジェロ18. Nerve Flip / ナーヴ・フリップ※日本盤ボーナス・トラック■アルバム情報アーティスト:Red Hot Chili Peppers / レッド・ホット・チリ・ペッパーズアルバム:Return of the Dream Canteen / リターン・オブ・ザ・ドリーム・カンティーン リリース:2022年10月14日(金)全世界同時リリース国内盤CD情報:WPCR-18503 / ¥2,860(税込)<トラックリスト>1. Tippa My Tongue / ティッパ・マイ・タング2. Peace And Love / ピース・アンド・ラヴ3. Reach Out / リーチ・アウト4. Eddie / エディ5. Fake As Fu@k / フェイク・アズ・ファック6. Bella / ベラ7. Roulette / ルーレット8. My Cigarette / マイ・シガレット9. Afterlife / アフターライフ10. Shoot Me A Smile / シュート・ミー・ア・スマイル11. Handful / ハンドフル12. The Drummer / ザ・ドラマー13. Bag Of Grins / バッグ・オブ・グリンズ14. La La La La La La La La / ラ・ラ・ラ・ラ・ラ・ラ・ラ・ラ15. Copperbelly / カッパーべリー16. Carry Me Home / キャリー・ミー・ホーム17. In The Snow / イン・ザ・スノウ18. The Shape I’m Takin’ / ザ・シェイプ・アイム・ テイキン※日本盤ボーナス・トラック【関連リンク】オフィシャルサイト:https://redhotchilipeppers.com/ Instagram: https://www.instagram.com/chilipeppers/ Twitter: https://twitter.com/chilipeppers Facebook: https://www.facebook.com/ChiliPeppers Warner Music Japan: https://wmg.jp/rhcp/
Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、約16年ぶりの単独公演、東京ドーム公演のライヴ・レポートを公開!
